2014年は、作曲家 伊福部昭の生誕100年と映画「ゴジラ」公開60年が重なり、ハリウッド版ゴジラの公開など、日本だけでなく世界中が伊福部昭に熱狂しました。 「オーケストラ・トリプティーク」は、伊福部昭生誕100年記念として、創作と教育の両面で歴史を築いた作曲家を、その作品と弟子たちの作品と共に祝うコンサートを開催、ライヴCDとして発売致します。
■「音で味わう日本の美」弦楽オーケストラの豊かな響きへ作曲家が託した思いとは・・・。
テレビ、新聞、雑誌。数多くの媒体で大特集されている生誕100年の作曲家 伊福部昭(いふくべ・あきら)。
映画「ゴジラ」や黒澤映画に音楽をつけた日本が世界に誇る巨匠です。
伊福部昭生誕100年記念として開催された「絃楽オーケストラで聴く日本の巨匠たち~オーケストラ・トリプティーク第3回演奏会」のライヴが2015年1月1日にスリーシェルズから発売します。
指揮は、広上淳一門下の逸材として期待される水戸博之。
国内最高レベルの響きを知られる浜離宮朝日ホールで、気鋭の若手演奏家が奏でる日本の美を御堪能ください。
■各曲の聴きどころ
・伊福部昭:絃楽オーケストラのための日本組曲(1998)
1934年のピアノソロによる原作から54年を経てのアレンジした絃楽版、ひたすらにデビュー作へこだわった伊福部昭の辿り着いた境地とは?
・黛敏郎:フルート、ピアノ、弦楽のためのセレナードファンタスティック(1946/東京初演)
17歳の黛青年が颯爽と天才を発揮した意欲作。第2楽章は未完。近年発見され話題となった曲の東京初演。
・松村禎三:ピアノと弦楽オーケストラのための朝の歌(2001)
晩年の松村禎三による研ぎ澄まされた感覚が冴え渡るピアノ協奏曲。
・水野修孝:ヴィオラ協奏曲(委嘱初演)
美しいメロディーとジャズの融合で知られる作曲者がはじめて書き上げたヴィオラ協奏曲。
・眞鍋理一郎:追憶(2012)
ゴジラ対ヘドラなどで知られる映画音楽の大家による記憶の風景。生誕90年記念演奏。
・三木稔:箏譚詩集より、箏と弦楽合奏のための《芽生え》《白い風の下で》
日本の楽器へも多くの傑作を残した三木。なかなか演奏されないが味わい深い絃楽との協奏的アレンジ。
・芥川也寸志:映画音楽「鬼畜」より(編曲:清道洋一)
叙情的メロディーとオスティナートを発揮した芥川映画音楽より。
■CDタイトル
伊福部昭生誕100年記念
絃楽オーケストラで聴く日本の巨匠たち/水戸博之指揮、オーケストラ・トリプティーク
Japanese Great Masters throuth the String Orchestra/Hiroyuki Mito Conducts Orchestra Triptyque
■収録曲目と作曲者
1-4 伊福部昭 Akira IFUKUBE(1914-2006)
絃楽オーケストラのための日本組曲(1998)
第1曲 盆踊 Allegro energico 4:27
第2曲 七夕 Lento tranquillo 3:36
第3曲 演伶 Quasi burlesco 4:27
第4曲 佞武多 Marciale pesante 7:03
5-6 三木稔 Minoru MIKI(1930-2011)
箏譚詩集~箏と弦楽合奏のための~
第二集《春》より〈芽生え〉(1976) 3:48
第三集《夏》より 白い風の下で(1983)4:31
新箏ソロ:藤川いずみ
7-8 黛敏郎 Toshiro MAYUZUMI(1929-1997)
フルート、ピアノ、弦楽のためのセレナード・ファンタスティック(1946/東京初演)
第1楽章 序奏とロマンス 9:36
第2楽章 間奏曲とダンス(未完)2:07
フルートソロ:向井理絵
9 松村禎三 Teizo MATSUMURA(1929-2007)
ピアノと弦楽オーケストラのための朝の歌(2001/2002) 10:06
ピアノソロ:海瀬京子
10 眞鍋理一郎 Riichiro MANABE(1924-)
追憶(2012)1:53
11-13 水野修孝 Shuko MIZUNO(1934-)
ヴィオラ協奏曲(2014年3月完成・委嘱初演)
第1楽章 2:53
第2楽章 2:45
第3楽章 7:44
ヴィオラソロ:伊藤美香
14-15 芥川也寸志 Yasushi AKUTAGAWA(1925-1989)
映画音楽「鬼畜」より(1978/2014編曲:清道洋一)
ストリート・オルガン 2:21
終曲 3:55
■CD発売日 2015年1月1日
価格 2778円(税抜)
CD番号 3SCD-0019
バーコード 4560224350191
録音・編集:小嶋雅夫
写真:渡會裕
デザイン:田代亜弓
ピアノ調律:三浦明道
企画・発売元:スリーシェルズ(西耕一)
水戸博之指揮、オーケストラ・トリプティーク
2014年9月13日浜離宮朝日ホールにてライヴ録音
■演奏
オーケストラ・トリプティーク
水戸博之(指揮)
藤川いずみ(新箏:5)
海瀬京子(ピアノ:7,8,15)
向井理絵(フルート:7,8,15)
伊藤美香(ヴィオラ:11-13)
冨岡春絵(グロッケンシュピール:15)
三宅政弘(コンサートマスター)
≪ヴァイオリン≫
遠藤結子、梶川空飛亜、駒崎りら、迫田圭、高須昌緒、民谷香子、知見寺武、千原徳子、原田真帆
藤代優意、三瀬俊吾、茗荷智光、森本由希子
≪ヴィオラ≫
高橋奨、星光、米納真妃子、神山和歌子
≪チェロ≫
任キョンア、竹本聖子、朴純香、松本恒瑛
≪コントラバス≫
佐藤洋嗣、志水祐亮
≪パーカッション≫
冨岡春恵
西耕一(企画・構成)
プロデューサーノート(西耕一)
オーケストラ・トリプティークは、日本の作曲家の優れた作品の復活と発展を願って結成されました。
日本の洋楽を100年の単位で捉え、その歴史を踏まえ、新しき歩みをと考えています。
CDに収録された演奏会は「絃楽オーケストラで聴く日本の巨匠たち」と銘打った2014年のライヴ録音です。
2014年は、作曲家 伊福部昭の生誕100年と映画「ゴジラ」公開60年が重なり、
ハリウッド版ゴジラの公開など、日本だけでなく世界中が伊福部昭に熱狂しました。
「オーケストラ・トリプティーク」も、生誕100年コンサートに関わり、2月、7月、11月と参加しました。
ほかとは少し違った伊福部昭生誕100年記念として、創作と教育の両面で歴史を築いた作曲家の、自作と、弟子たちの作品によって祝おうというのが今回のコンセプトです。
それによって、いずれも映画・純音楽の両面で「巨匠」の名に足る作曲家が揃い踏みしました。
芥川也寸志による映画音楽《鬼畜》、黛敏郎17歳の幻の作品《セレナード・ファンタスティック》、松村禎三の晩年の傑作《朝の歌》 、三木稔の箏曲を協奏的に仕上げた《譚詩集》、卆寿を迎えた眞鍋理一郎の《追憶》と、委嘱初演として伊福部門下ではないですが、第1回の演奏会からトリプティークに作品を提供してくださっている水野修孝による新作《ヴィオラ協奏曲》の上演まで。ひとりの作曲家から拡がる奥深い日本の音楽をどうぞ御堪能ください。